1年間で12.4万人が消失した産業

農業界の危機とは一体なんだろうか?

・TPPが締結されて関税撤廃されることなのだろうか

・高齢化が進んでいることだろうか

・耕作放棄地が増えていることだろうか

それよりも
魅力が感じられなくなっているかもしれない
という事実ではないだろうか

農林水産省の統計データが更新された
これによると

平成25年度の農業就業人口は239万人となっている

※「農業就業人口」とは
15歳以上の農家世帯員のうち、調査期日前1年間に農業のみに従事した者
又は農業と兼業の双方に従事したが、農業の従事日数の方が多い者をいう。

ちなみにH24年度では251.4万人いた。
つまり、1年間で12.4万人も減少しているのである。
いきなり?
というわけではもちろんなく、
ここ5年間で合計50.5万人も産業から消失しているのです

もちろん、新規就農している方もいます。
H24年度では5.6万人が就農しています。
(H25年データはまだ記載されていない)

うちわけとしては
・新規自営農業就農者:4.5万人
[農家世帯員で、調査期日前1年間の生活の主な状態が、「学生」から「自営農業への従事が主」になった者及び 「他に雇われて勤務が主」から「自営農業への従事が主」になった者]
・新規雇用者:0.8万人
[調査期日前1年間に新たに法人等に常雇い(年間7か月以上)として雇用されることにより、農業に従事することとなった者]
・新規参入者:0.3万人
[調査期日前1年間に土地や資金を独自に調達(相続・贈与等により親の農地を譲り受けた場合を除く。)し、新たに農業経営を開始した経営の責任者をいう]
となっている。

そのほとんどが実家の農業を継いだことになる。
しかし、この増加人数5.6万人を足しても年間平均10万人減少しているというのが事実である。

参入障壁が高い産業であり
外から見えにくい業界であることは確かではあるが
1年で12.4万人が消えているのは恐ろしい数字です

とはいえ新規で5.6万人参入していると思わるかもしれませんが
39歳以下はそのうち1.5万人でしかありません。
約1500市町村で割り算したら、自治体単位での若手農業者受け入れが10名ずつしかいないのです!

これは見方を変えると
・農業という産業に興味関心が低く、魅力的にうつっていない
・儲かる、仕事として成立するというイメージが湧いていない
という事実があるのではないかと思います。

このままのペースでいけば
2037年には農業就業人口は0名になるのです!

産業の大きな問題は
外から見たときに魅力的にうつっていない!!
という事実だと思います。

農業界だけではこれは解決できません。
もっと外の業界との連携が必要になると思いますし
やらねばいけませんね

詳しくはこちら(農林水産省統計データ)

60歳以上が年3万人再就職!!

農業の新規就農者って少ないですよね・・・

と思われているかもしれませんが
人数だけでいえばそんなに少なくはないんです

H24年の実績では
56,480人
もの農家が新たに誕生しているのです
(※ちなみにその人数を合わせても年間10万人減っていっていますが・・・)

大卒が5万人農家へ?!

とそういう話なら農業の未来も明るいのですが
そうともいえないのです

H24年の56,480人の新規就農者数のうち

就農者数

となっているのです

1年間で新しく農業を始めた方のうち
約半数が60歳以上なのです

一体、ほかのどんな職業がこんな状況になるのでしょうか?

大卒生の就職活動に40年サラリーマンを経験したベテランが同席して
就職先を片っ端からかっさらっていくようなイメージなのでしょうか?!

ちなみに60歳以上の方はほぼ100%が実家の土地を受け継ぐ
つまり農家のこせがれとして戻っている形になります
ですので同じフィールドで新卒者と戦っているわけではもちろんありません

しかし!

彼らは年金生活で実家に戻って家賃もかからず
かつこれまでの蓄えもある方が多いはずです

そしてそうした彼らも農地を耕して生産をして販売をしていきます
その販売先はそれだけで生活を成り立たせようとしている
若手農業者と同じ土俵に乗ってしまいます
これは非常に厳しい戦いを若手農業者には強いられます

そして
先ほどの39歳以下の就農者
15,030人のうち8,160人は農家のこせがれです
一方で
1,540名は
全くの新規で農業を始めた方々になります
彼らは就農直後から経営者としての考えと行動をして
農業で生計を成り立たせていかなくてはなりません
これはやはり容易なことではないです

年間
56,480人のうち1,540名

2.7%

39歳以下という若い年齢で
これまでやったことがない(もちろん経験者もいるとはおもいますが)農業という分野で
勝負をしていこうとしています

60歳以上で実家に戻る方々を否定する気はありません
(但し、色々と区分けはして欲しいですが)

しかし

もし自分の勤めていた会社に
新規雇用で新卒が2.7%しか雇用されず
50%が60歳上だとしたらどう思いますか?

それで活力ある企業として活動し続けるのでしょうか?

新陳代謝が企業にとっても産業にとっても大事だと思います
セカンドライフが農業では
農業側からしてみたら・・・・たまったものではないですね

畑で生産をされるのは
運動としても環境としてもとってもいいことだと思います
ただ、産業としてカウントしたりそれで稼ぎを得ようとしていくのは
若手の芽を積むことになるのではないでしょうか

人が少ない農業界で60歳以上も歓迎するのか
若手がもっと入りやすく第三者継承などを促進していくのか
考えなければいけませんね

100万円以下が6割の業界?!

総所得の話では、
農家の総所得はさほど低くないように見える
という話をしました

一方で
売上での面白いデータもあります

農林水産省が出している統計データの中で
「平成25年農業構造動態調査」
というのがあります

このデータは
農業経営体
を軸にした調査結果となっています

H25年2月の結果では
農業経営体数は
151万4,100経営体
存在している

この内訳を見ると

ということになっている

【用語解説】
●農業経営体
農産物の生産を行うか又は委託を受けて農作業を行い、生産又は作業に係る面積・頭数が次の規定のいずれかに該当する事業を行う者。
(1)経営耕地面積が30アール以上の規模の農業
(2)農作物の作付面積又は栽培面積、家畜の飼養頭羽数又は出荷羽数、その他の事業の規模が次の農林業経営体の外形基準以上の農業
(ア) 露地野菜作付面積 15アール 、(イ) 施設野菜栽培面積 350平方メートル、(ウ) 果樹栽培面積 10アール、(エ) 露地花き栽培面積 10アール、
(オ) 施設花き栽培面積 250平方メートル 、(カ) 搾乳牛飼養頭数 1頭、(キ) 肥育牛飼養頭数 1頭、(ク) 豚飼養頭数 15頭、
(ケ) 採卵鶏飼養羽数 150羽 、(コ) ブロイラー年間出荷羽数 1,000羽、(サ) その他 調査期日前 1年間における農業生産物の総販売額50万円に相当する事業の規模
(3) 農作業の受託の事業
●家族経営体
 農業経営体のうち、世帯単位で事業を行う者。
●組織経営体
 農業経営体のうち、世帯単位で事業を行わない者(家族経営でない経営体)。

これをみると
日本では家族で農業をしている方々が98%にものぼることがわかる。
法人組織も1万を超えてきてはいるものの
まだまだそのパイは少ない状況が伺える

しかし
見方を変えると
150万社も存在している業種って他にあるのだろうか
製造業が約66万社
小売業が約110万社
飲食業が約40万社
う~ん、ずば抜けている・・・
(参照:経済産業省 商工業実態基本調査

家族経営で150万経営体もいる業界が
はたしてやっていけるのだろか?

競争激化にならないのだろうか?

その解答になるとはいいきれないが
1つの指標として

農業経営体を売上規模別で分布してみます

するとこうなります

まず驚くのは
年間売上高100万円未満(売上0円を含む)の農業経営体数が
全体の60%近くまで達しているということです

先日の
総所得590万円では
普通に食べていけるのでは?
と思えるような数字が出ましたが
この数字をみる限り
家族経営体の60%は100万円以下しか売上をあげておらず
農業生産だけでは生活をしていくことが厳しい!
という数字になってきます

売上を1,000万円以上あげている家族経営体は
全体のわずか8%となります
1,000万円はあくまで売上の為
それで生活ができるのか
といわれれば違う話になるかもしれません

家族経営体で平均2.5人の構成だと仮定した場合
1人あたりの売り上げが400万円程度となります

先日の総所得と
今回の販売金額をみると
大きく違う印象を受けてきますね

さてさて
農業は儲からないの?
食べていけるの?
稼げるの?
どれに見えてきますかね

もちろん
統計データというものは
カラクリがあります

色々な角度から焦点をあてていくことで
実に様々な顔をみせてくれるものです

例えば
この統計の場合
売上0円も含まれている
ということは
実際に農業生産をしていなくてもカウントされています

また先ほどの用語解説で
農業経営体の定義の1つが30a以上の面積とありましたが
この面積では、品目にもよりますが生活をしていくほど稼ぎをだせる面積とはいいにくいです
(※品目により大きく異なりますのであくまで全体的に見て)

この面積をもっていれば
年間作業日数など関係のない数字になってきます

しっかりとやっている人

でみていくとまた違うことになります