【代表ブログ】第1人者として10年間で1000回以上開催している”マルシェ”を書籍にしたワケ

タイトルにもある通り、この度マルシェに関するノウハウ本を日本で初めて書籍化し出版することになりました。なぜ、このような本を書くことにしたのか、その理由についてまとめました。

 

全ては八百屋からはじまった

好きな所に戻る習性があるのだろうか。それともそれしか出来ないのだろうか。

私が最初に関わったビジネスは八百屋でした。

今思うと良くやらせてもらえたものだなと思いますが、大学生時代に八百屋の立ち上げ、店舗運営、店長などをしていました。

1号店OPEN前日に、あらかた目処もたち、翌日からの開業に向けて頑張る為にも食事をと皆で食事をしていたら、

社長に怒鳴られたことを今でも覚えてます(笑)

開業後はトマトを持って、近隣の家を訪問し八百屋の宣伝、3号店の店長時代には、

家に帰るのも面倒なので2日ごとにお店に寝泊まりしてました。

その後、自分の会社を立ち上げた直後に、八百屋をしていたご縁もあり、築地の老舗青果仲卸の小売店舗の運営に関わりました。

と、とかく販売現場にいることが多かった社会人スタート時代でしたが、

農業プロデューサーとしての農業支援で、農家の野菜を販売して応援しようという仕組みではなく、

農業者それぞれの自己成長につながる支援をできないかなと考えていたこともあり、販売現場からは徐々に縁遠くなりました。

そして16年。。。どうしたことでしょう。

気が付けば、都内で4会場のマルシェの運営と北海道で2店舗のマルシェ併設型小売店の運営をしています。

ぐるっと回って「販売現場」に戻ってきていました(笑)好きなんですね。

この”販売現場”に大きく戻るというか、深くかかわることになったきっかけが、

当時はそこまで深く考えていませんでしたが、2019年9月に10周年を迎えるヒルズマルシェ(赤坂アークヒルズ/毎週土曜日開催)でした。

ヒルズマルシェ、開始

ヒルズマルシェは毎週土曜日10:00~14:00で赤坂アークヒルズのアークカラヤン広場にて開催しています。

主催は、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなどを展開されている森ビル株式会社です。

このマルシェは、2009年に農林水産省の補助事業、通称「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」の際に全国で始まったマルシェのうちの1つです。現在、この事業でスタートしたマルシェとしては、表参道の国連大学前の Farmer’s Market@UNUとヒルズマルシェのみが都内で継続して開催しております。
ヒルズマルシェが始まった2009年に、私は2つ目の団体となるNPO法人農家のこせがれネットワークを立ち上げており、

そのご縁と八百屋の経験などからヒルズマルシェと関わることになり、2010年5月からは運営事務局となりました。

ヒルズマルシェは、遠方からわざわざ足を運んでもらうイベントとしてではなく、

近隣住民の方々をメインターゲットとし、歩いてこれる範囲の方々に毎週、

新鮮で美味しい農産物や他では買えない食品やつくり手の想いがこめられている雑貨などを買っていただいています。

結果として、毎週足を運んでくれるお客様も多くいます。

先日、何組かのお客様にインタビューをしてみると、ヒルズマルシェが始まった直後から通い、

毎週土曜日にヒルズマルシェに来ることから週末が始まると言っていただけたのは嬉しかったです。

中には、このマルシェがあるから他に引っ越すことが出来ないんですとまで言ってくれる方もいました。

10年がたち、各人に地域に根付いたマルシェになっているなと感じます。
出店者でも8年以上継続して出店し続けてくれる農家さんも数件おり、

出店中の様子をみていると農家や出店者とお客様がご近所づきあいのような距離感でコミュニケーションをとっています。

事務局になった当初は、同時期に始まったマルシェしか無かったため、先行事例も無く、

主催者と共に一緒に試行錯誤をしながら形をつくりあげていきました。

正直、毎週土曜日に早起きをして設営をするというのは大変だ!と最初の頃は感じていました。

今では、都内で年間130日以上、北海道では年中無休が2店舗と、それどころではないのですが(笑)

大変だなと感じていたのは、マルシェの価値や魅力をちゃんと理解できていなかったからに他なりません。

 

マルシェの価値に気がついたのは5年目以降

マルシェの価値や魅力に気が付いたのは、一度現場をスタッフに任せていたものの、

彼らの同時退職なども重なり、現場に再び戻ってきたぐらいからです。

全国で様々な農業支援やプロデュースもさせていただくようになっており、

そうした中で再度マルシェを見つめなおすと、なんと価値があり意義があり魅力がある仕組みと場所なのだろうかと実感しました。

ただの出店販売という考え以上に様々な角度から農業支援につながっていくものなんだと。

ちょうど同時期に世間では2回目のマルシェブームが起き、

雨後の筍のごとくマルシェが増えてきていました。

弊社でも運営するマルシェ会場がワテラスマルシェ(2014年~)、浜町マルシェ(2015年~)、

KITTE前地下広場マルシェ(2017年~)と増えていき、来場されるお客様のターゲットやニーズ、

関わる出店者やデベロッパー、地域の方々などがぐっと幅が広がりました。

様々な方々が、様々な思惑でマルシェを主催したり、出店されたり、

買い物をされていたりと声を聴いていくことで、その多様性や可能性にもますます興味が湧いてきました。

そうした中で、この可能性や魅力をどうやって伝えることが出来るのかと考え、

最初にマルシェとは一体何か?改めて整理してみるということでした。

マルシェの現場だけを見てお客様からは「お洒落」「新鮮」「楽しい」というような形容詞で彩られるマルシェですが、

事業として運営している側にとっては、どんなビジネスなのかを定義できることが重要なのではないかと思いました。

いろんな方とお話をし、見えてきたのが

コミュニケーション型移動小売業

という定義でした。

マルシェは根本的に、農家や事業者がつくったものを販売する場所ですので、小売業であることは間違いありません。

特に弊社の場合は、一過性のイベントとして捉えておりませんので、小売業という業態が分かりやすいです。

ただ、そこに加わるのがコミュニケーションと移動です。

近年、特に食品売場(スーパーなど)においてはセルフ販売が主流で、

商品の説明や食べ方を会話しながら購入する機会は減ってきています。

マルシェの醍醐味の1つがまさにここだと思います。

会話をし、コミュニケーションをとり、売る・買う。そのため、また買いに来る+また会いに行くという動機付けもされていきます。

そして移動とは、マルシェの会場自体は動きませんが、出店者は様々なマルシェに出店をしながら商売をされています。

例えば、水曜日はKITTE前地下広場マルシェ、金曜日はワテラスマルシェ、土曜日はヒルズマルシェという具合です。

売る側が自ら移動しながら小売りを行い、コミュニケーションを各マルシェでとりつつ顧客獲得を目指していきます。

この定義をつくってからは、私の中ではマルシェというものはとてもシンプルなものに見えてきました。

多くの依頼を受けていく中で

そうした定義づけや各マルシェの開催を行っていく中で、

嬉しいことに非常に多くの企業・団体様からマルシェを開催したいという連絡・ご相談を受けます。

私は私なりのマルシェの定義や考えがはっきりとしていますから、

そうした考えと、立ち上げようとされているマルシェが合致しないと引き受けることはありません。

これは、私が仕事をしにくいからというよりも、

結果としてそこに来る出店者と楽しみにされる買い物客にとって魅力的な場所づくりが本当にできるのかどうかということにつきます。

こうして次に考えたのが、マルシェを運営するにはどんな準備や要素が必要なのかということでした。

これは、10年の実績を改めてひも解くことで整理することができました。

 

インキュベーションスペースとして

マルシェの出店者もマルシェが増えるごとに増えていきます。

そうした中で、マルシェの定義は行い、運営する方法やノウハウも見えてきたのですが、

肝心の出店者がどのようにマルシェを使いこなすことができるのかについてがマルシェを始めた当初は見えておらず、

先述の通り、全国での活動やマルシェが増えていく中で気づいてきました。

それを一言で言えば、「インキュベーションスペース」でした。

これから事業成長をしたいと考えている農業者や小規模事業者の方々が、コストも含めて出店ハードルが低い小売業形態に参加し、

・売上獲得

・顧客獲得

・マーケティング

・プロモーション

など様々な目的、意図で活用することができます。

これまで低コストでの売場と言えばインターネットが主流だったのに加えて、

自ら販売するという時間的拘束は増えるにせよ、その分学べること、得られることがとても大きいマルシェになってきています。

華やかなマルシェ、東京での販売を楽しみたいという出店者もおりますが、

そうしたことよりも、こうした事業者支援につながるマルシェの仕組み・取り組みをしっかりと構築していき、

ベンチャー支援につながるインキュベーションスペースとしていきたいと考えました。

実際にヒルズマルシェに毎週出店される農家さんなどは一定の売上をとりつづけて事業に必要な場所になっています。

 

北海道へも展開するご縁をいただき

2018年11月1日、北海道札幌市にある商業施設「サッポロファクトリー」の中に、

日本初の屋内通年開催型マルシェ会場となるSouseiMarcheを開業いたしました。

下記の写真を見ていただければわかりますが、通常の店舗区画をマルシェ会場にしているということです。

最大30店舗入る区画にはなっておりますが、毎日埋まることはありませんので、

それ以外のスペースを弊社の小売業として展開しています。

私のこれまでのお会いした全国の方々の、

まさに小規模事業者で美味しい加工品を生産されている商品を野菜・果物をはじめ加工品などを販売しています。

マルシェ出店という部分ではまだ認知が足りておらず苦戦していますが、

販売という部分では他では手に入らない美味しさ、商品ということもあり、リピーターの方々も多くいらっしゃってくだるようになりました。

そして、2019年7月11日には、北海道旭川市にある、

駅直結型という珍しいイオンモール旭川駅前店1Fに弊社小売業態のみとなるSouseiMarche旭川店を開業しました。

この店舗は、出店者としては参画することが出来ませんが、近隣農家の直売所という側面も設け、

私が別で実施している旭川市の隣町、東神楽町の八百屋ハル・マーケット(経営:株式会社東神楽アグリラボ)や

上富良野町、旭川市内などいくつかの農家さんから直納で新鮮でおいしく珍しい野菜などを仕入て販売も行っています。

 

これらのノウハウを気軽に知ってほしい

こうして、2019年8月現在、都内4会場・北海道2店舗を運営するようになり、

通算累計マルシェ開催回数も1000回を超えました。2009年のマルシェスタート当初からマルシェに関わり、

かつ複数会場、複数地域での運営を行い、新業態も展開しているということでは、

自分で言うのもなんですが、他にいないのではと思います。

もちろん、全国各地で素敵なマルシェがあり、そのやり方や目的などは多様ですので、それもマルシェの魅力だと思います。

そのため、私の考え方が全てではありません。

しかし、改めて私のやっているマルシェや考え方についてを整理していくことで、

これからマルシェを開催してみたい方、マルシェ出店で成長したい方にとっては

1つの行動指針やヒントになるのではないかと思うようになりました。

結果としてより魅力的なマルシェが増えていくのではないかとも思い、

10年目の節目にマルシェに関する本を出すことにしました。

日本におけるマルシェをかつ運営側のノウハウという視点で書いている書籍は他にありませんので、

これまら日本初のマルシェノウハウ本(あまりにもニッチですがw)といえます。

主催者や出店者の具体的な事例、インタビューなども満載しておりますので、マルシェに興味がある方は、読んでみて下さい。

マルシェのつくり方、使い方

<内容>
ヒルズマルシェなど6つのマルシェを10年間、運営してきた著者が紹介する、地域密着型マルシェの「運営」と「出店」のノウハウ。
マルシェをまちづくりの起点にしたい運営者、マルシェをビジネスの柱にしたい出店者に役立つ、企画から開催までのオペレーション、継続するコツや成果の出し方まで、豊富な実践例から解説。

<目次>
1章 マルシェが小売りビジネスを変える~コミュニケーション型移動小売業の誕生
2章 マルシェのつくり方~開催・運営のノウハウ
3章 マルシェの使い方~出店のノウハウ
4章 マルシェというビジネスモデル~持続可能なしくみの構築
5章 マルシェの現場案内

>>詳細・購入はこちらから

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